自転車に乗り徘徊する音楽人鈴木りゅうたの思いつきエッセイ。世田谷辺りに住む北海道人。ギターを弾くらしい。目標は食通。現在好物のドーナツは禁止になっている。旧タイトル<なんでも探偵団>
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Esperanza
先月、3/21にEsperanza Spauldingの『Radio music Society』が
リリースされた。
幸運にも自分がプロモーション来日した際にインターヴューをする機会を得た。
そのインターヴュー詳細はJazz JapanのVol20にて掲載されているので読んで頂くとして、
補完的にレヴューというかそういうものを書いてみようと思う。
そこそこいろんな意見も出ているようであるし。
まあ、本人にあって話を聞いた、となるとバイアスがかかるのでそこはまあご勘弁願いたい。
プロモ盤を聴いた時点でまず驚いたのはファンクネス溢れる作品になっていること。
「Black Gold」が先行でPVを公開していたが、全体を通してそれは貫かれている。
Q-tip参加でよく「ヒップホップに接近!」なんていうキャッチが着いているようだが、
そうは全く思わなかった。(何ならQ-tipは全面プロデユースではないし)。
最初、Wayne Shorterのカヴァーである「endangered species」は
パーラメントの「Bop Gun」からの引用かと思った。
しかも「Bop Gun」は副題が『endangered species」と全く同じなので気づくのにちょっと時間がかかった。
エレクトリックベースを大胆に導入しており、エンペローブフィルターを掛けてモコモコした感じ
も限りなくファンクだ。
ただ、彼女のベースは打点というかリズムのポイントが前にあるので、
ネットリと重くなったりはしない。
流麗でそこはウッドの時と変わりはなくて、一つの個性になっている。
彼女自身はまだまだエレクトリックベースは発展途上と考えているので、
この先、エレクトリックプレイヤーとしての奥行きはもっと出てくるだろう。
次に感じたのはアレンジの細やかさとそれを感じさせないポップさ。
この辺は前作にも通じるのだが、彼女のアレンジはかなり細かいのだが、
そういうことは気にならない。聴く人に飽きさせない、
けれど奇をてらわないギリギリの線でアプローチしてくる。
全体をオーガナイズしてかっちりポップに作ってあるので、
老年の評論家陣が「ジャズじゃない」と合唱する気持ちもちょっとはわかるが、
「ポップだからジャズじゃない」という言い方では説明が足りないしちょっと残念。
それと彼らを混乱させているのは彼女が言葉を使って音楽そのものの世界をコーディネートしているというのもあるのかもしれない。単純にスタンダードを歌うような作品ではないので、
いきなりEsperanza Spauldingというキャラクターと対決させられるわけだから。
おそらく過去のデータベースと照らし合わせても彼女のような存在はあまりないし、
近年だとノラ・ジョーンズとかがいるくらいで、
ここまでシンガーとしても、アレンジャーとしても、そしてベーシストとしても
キャラクターを発揮していて、しかも美女という存在がないので、言葉にならない、
翻ってジャズではない、ということになっているのではないか。
ジャズは進化の歴史とともにあるし
部分だけ抜き取って分析した時に例えば「Radio Song」の
スイングして跳ね回るピアノなどはどう捉えれば良いのだろうか。
『Hold on me」なんかまんまビッグバンドのジャズオーケストラアレンジだしなあ。
まあ、この辺の話は内輪でやれば良くて、ジャズかどうかというのはサブテキストでしかない。
ただ、そのサブテキストで盛り上がれるというのは面白い。
いろいろといろんな人が言えばもっと音楽自体が盛り上がるし
たとえ的外れな論評だとしてもそれはそれで面白い。
そういうきっかけさえも与えている作品ということでもある。
しかし、この作品全体から溢れる音楽愛はどうだろうか。
確かにすごくポップで売れ線なのかもしれないけれど、それさえも飛び越えて
単純に音楽の楽しさが伝わってくるし、彼女の歌声は流麗でチャーミングだ。
インタヴューであった時の印象も含めて、
今彼女はとてもポジティブに音楽に取組んでいる姿勢が伝わってくる。
表現している世界観も社会情勢から、個々人のすれ違う恋愛、望郷など
2012年の現在を表現しているアーティストシップも素晴らしい.
彼女自身はグラミー賞新人賞を受賞したことは、レコード会社からのサポートも
しっかり受けられるので、いろんな人に広く作品を聴いてもらえて
メッセージを伝えることができるチャンスだと捉えているようだ。
そういう「今が頑張り時!」という勢いとあり方がひしひしと伝わってくるのも事実である。
そしてとにかく聴いていると「まあ、なんか生きてるっていろいろあるけど良いよね」
という感じにさせてくれる作品である。
しかし、この勢いで密度の高い仕事をするEsperanzaはただものじゃない。
もし、誰かと比較するならと最初に思いついたのはMeshell Ndegeocelloだが、
やはりそれもちがうような気がする。
Meshellのような闇に向かうような音楽ではないし、あそこまでフィクサー然とした雰囲気もないからだが。

Radio Music Society
リリースされた。
幸運にも自分がプロモーション来日した際にインターヴューをする機会を得た。
そのインターヴュー詳細はJazz JapanのVol20にて掲載されているので読んで頂くとして、
補完的にレヴューというかそういうものを書いてみようと思う。
そこそこいろんな意見も出ているようであるし。
まあ、本人にあって話を聞いた、となるとバイアスがかかるのでそこはまあご勘弁願いたい。
プロモ盤を聴いた時点でまず驚いたのはファンクネス溢れる作品になっていること。
「Black Gold」が先行でPVを公開していたが、全体を通してそれは貫かれている。
Q-tip参加でよく「ヒップホップに接近!」なんていうキャッチが着いているようだが、
そうは全く思わなかった。(何ならQ-tipは全面プロデユースではないし)。
最初、Wayne Shorterのカヴァーである「endangered species」は
パーラメントの「Bop Gun」からの引用かと思った。
しかも「Bop Gun」は副題が『endangered species」と全く同じなので気づくのにちょっと時間がかかった。
エレクトリックベースを大胆に導入しており、エンペローブフィルターを掛けてモコモコした感じ
も限りなくファンクだ。
ただ、彼女のベースは打点というかリズムのポイントが前にあるので、
ネットリと重くなったりはしない。
流麗でそこはウッドの時と変わりはなくて、一つの個性になっている。
彼女自身はまだまだエレクトリックベースは発展途上と考えているので、
この先、エレクトリックプレイヤーとしての奥行きはもっと出てくるだろう。
次に感じたのはアレンジの細やかさとそれを感じさせないポップさ。
この辺は前作にも通じるのだが、彼女のアレンジはかなり細かいのだが、
そういうことは気にならない。聴く人に飽きさせない、
けれど奇をてらわないギリギリの線でアプローチしてくる。
全体をオーガナイズしてかっちりポップに作ってあるので、
老年の評論家陣が「ジャズじゃない」と合唱する気持ちもちょっとはわかるが、
「ポップだからジャズじゃない」という言い方では説明が足りないしちょっと残念。
それと彼らを混乱させているのは彼女が言葉を使って音楽そのものの世界をコーディネートしているというのもあるのかもしれない。単純にスタンダードを歌うような作品ではないので、
いきなりEsperanza Spauldingというキャラクターと対決させられるわけだから。
おそらく過去のデータベースと照らし合わせても彼女のような存在はあまりないし、
近年だとノラ・ジョーンズとかがいるくらいで、
ここまでシンガーとしても、アレンジャーとしても、そしてベーシストとしても
キャラクターを発揮していて、しかも美女という存在がないので、言葉にならない、
翻ってジャズではない、ということになっているのではないか。
ジャズは進化の歴史とともにあるし
部分だけ抜き取って分析した時に例えば「Radio Song」の
スイングして跳ね回るピアノなどはどう捉えれば良いのだろうか。
『Hold on me」なんかまんまビッグバンドのジャズオーケストラアレンジだしなあ。
まあ、この辺の話は内輪でやれば良くて、ジャズかどうかというのはサブテキストでしかない。
ただ、そのサブテキストで盛り上がれるというのは面白い。
いろいろといろんな人が言えばもっと音楽自体が盛り上がるし
たとえ的外れな論評だとしてもそれはそれで面白い。
そういうきっかけさえも与えている作品ということでもある。
しかし、この作品全体から溢れる音楽愛はどうだろうか。
確かにすごくポップで売れ線なのかもしれないけれど、それさえも飛び越えて
単純に音楽の楽しさが伝わってくるし、彼女の歌声は流麗でチャーミングだ。
インタヴューであった時の印象も含めて、
今彼女はとてもポジティブに音楽に取組んでいる姿勢が伝わってくる。
表現している世界観も社会情勢から、個々人のすれ違う恋愛、望郷など
2012年の現在を表現しているアーティストシップも素晴らしい.
彼女自身はグラミー賞新人賞を受賞したことは、レコード会社からのサポートも
しっかり受けられるので、いろんな人に広く作品を聴いてもらえて
メッセージを伝えることができるチャンスだと捉えているようだ。
そういう「今が頑張り時!」という勢いとあり方がひしひしと伝わってくるのも事実である。
そしてとにかく聴いていると「まあ、なんか生きてるっていろいろあるけど良いよね」
という感じにさせてくれる作品である。
しかし、この勢いで密度の高い仕事をするEsperanzaはただものじゃない。
もし、誰かと比較するならと最初に思いついたのはMeshell Ndegeocelloだが、
やはりそれもちがうような気がする。
Meshellのような闇に向かうような音楽ではないし、あそこまでフィクサー然とした雰囲気もないからだが。

vusik at JZ brat
4/11は渋谷のJZ bratへvusikのアルバムリリース記念ライブへ行った。
開演時間よりかなり早く行ってしまい、
しかも酒をあまりたしなまないのにカウンターへ案内され、
しかも誰もお客が他にいない状況という、なんとなく気まづいシチュエーションに(笑)。
アルバムタイトルに合わせたように雨模様の中で、平日と、客足的に大丈夫かなと思ったが、
開演直前にはけっこう埋まったようだ。
今回はトリオで作った作品なのでアルバムと同じトリオのメンバーで。ドラムが中島道博、ベースにトオイダイスケ。
ギターのリバースディレイでゆったり始まる。
スタンダードと自作曲とで。出だしは珍しくみんな緊張して固めだった。
3曲めぐらいでほぐれてくるとダイナミクスのつけかたなども3人とも大胆になってくる。
お互いのスペースを生かしながら、それぞれに一つのヴィジョンに向かっているようで
三位一体。誰がどこのポジションということもあまり気にせず3人で描くような演奏。
そういう意味では夏に見た時よりもパワーアップした感がある。
中島君のドラムが気持ちのよいリズムで欲しいところでフィルがくるというツボを押さえたドラムが
素晴らしかった。
関口君のギターは音色やアプローチも含めて、彼のギターと言えるだろう。
何かっぽいということではなくて確実に彼のサウンド。
さっぱりとして水分を含んだ、なんだろう?
暑い日に喉が渇いた時の炭酸水のような清涼感。
セカンドセットになって、完全にリラックスしたムードになった。
前作収録のmesseageではレイドバックしたリズムに気もちよくなってウトウトする人も多数。
と思えば三人のインタープレイが盛り上がれば観客の集中力も増すという不思議な空間だった。
機材トラブルで前衛エレクトロ二カのような音を出したトオイ君が、慌てながら修復すると、その後のソロの美しさにはみな呆然とした。そして中島君がその機材トラブルをニヤニヤしながら眺めて、グルーブをキープし続けていたのは、三人の距離感と信頼感の強さの現れか。それともいじめっ子なのか(笑)。
とにかく、ハプニングも見事にサウンドさせていて素晴らしい。
全編通してメロディメイクのセンスがシンプルな編成でより際立って聴こえた。
ギターミュージックとしても上質だし、オーセンティックなジャズとしても十分に聴かせられる。
改めて、たとえば初夏の夕暮れ時に外で聴きたい。蚊に刺されなければ(笑)
「silent rain,silent sea」は冬にリリースされたが、
夏にぴったりじゃないだろうかと帰りにぼんやり考えた。

開演時間よりかなり早く行ってしまい、
しかも酒をあまりたしなまないのにカウンターへ案内され、
しかも誰もお客が他にいない状況という、なんとなく気まづいシチュエーションに(笑)。
アルバムタイトルに合わせたように雨模様の中で、平日と、客足的に大丈夫かなと思ったが、
開演直前にはけっこう埋まったようだ。
今回はトリオで作った作品なのでアルバムと同じトリオのメンバーで。ドラムが中島道博、ベースにトオイダイスケ。
ギターのリバースディレイでゆったり始まる。
スタンダードと自作曲とで。出だしは珍しくみんな緊張して固めだった。
3曲めぐらいでほぐれてくるとダイナミクスのつけかたなども3人とも大胆になってくる。
お互いのスペースを生かしながら、それぞれに一つのヴィジョンに向かっているようで
三位一体。誰がどこのポジションということもあまり気にせず3人で描くような演奏。
そういう意味では夏に見た時よりもパワーアップした感がある。
中島君のドラムが気持ちのよいリズムで欲しいところでフィルがくるというツボを押さえたドラムが
素晴らしかった。
関口君のギターは音色やアプローチも含めて、彼のギターと言えるだろう。
何かっぽいということではなくて確実に彼のサウンド。
さっぱりとして水分を含んだ、なんだろう?
暑い日に喉が渇いた時の炭酸水のような清涼感。
セカンドセットになって、完全にリラックスしたムードになった。
前作収録のmesseageではレイドバックしたリズムに気もちよくなってウトウトする人も多数。
と思えば三人のインタープレイが盛り上がれば観客の集中力も増すという不思議な空間だった。
機材トラブルで前衛エレクトロ二カのような音を出したトオイ君が、慌てながら修復すると、その後のソロの美しさにはみな呆然とした。そして中島君がその機材トラブルをニヤニヤしながら眺めて、グルーブをキープし続けていたのは、三人の距離感と信頼感の強さの現れか。それともいじめっ子なのか(笑)。
とにかく、ハプニングも見事にサウンドさせていて素晴らしい。
全編通してメロディメイクのセンスがシンプルな編成でより際立って聴こえた。
ギターミュージックとしても上質だし、オーセンティックなジャズとしても十分に聴かせられる。
改めて、たとえば初夏の夕暮れ時に外で聴きたい。蚊に刺されなければ(笑)
「silent rain,silent sea」は冬にリリースされたが、
夏にぴったりじゃないだろうかと帰りにぼんやり考えた。

OLGA
ライブばかり見ている。
恵比寿のBATICAで、ベーシストで録音から映像までやるクリエイターの
田中啓介君のプロジェクトOLGAを見に行った。
けっこう編成を変えているようで、前見に行った時は一人でVJやってシーケンサーいじくって
ベースも弾くみたいな感じだったが、今回は「トリオでやりますよ」
とのことで見に行った。
とにかくこの人は見かけによらず、熱くてゴリッとロックなパッションでベースを弾く。
今、わたくしが体験すべきとここ最近一番に推薦する危険で素晴らしいバンドのJImanica Band Setでもベースを弾いているが、Jimanica氏の尖ったセンスを受け止めつつ増幅している。
さて、今回はギターにLAなんかで活躍していた田中拓さん。
彼にはなぜか昔、ギターを貸したことがある(笑)。
タイトなリズム感と確かなテクニック、エフェクティブなサウンドメイキングなどおもしろいプレイヤー。
ドラムは中村亮さん。初めてプレイを見ますが、以前はボストンでDavid Fiuczynskiのバンドでプレイしていた実力派。
このメンツで「ロックな感じでやろうかなーと思ってます」
とのこと。
全部オリジナルでリフをメインにした曲や途中でテンポが崩壊していくような曲、
鬼ユニゾン。鍵盤は弾くしベースとユニゾンで歌うなど。
8割ぐらいは直球を投げ込んでくるんだが急に変化球がギュンと飛んで来て目がはなせないような
スリリングさ。
エレクトロニカやドラムンベースにも触発されたようなリズムをメインにしていて
2010年代のジャズロックという感じ。
新しさもあり、とてもクリエイティブだった。
まあ変態的なところにカテゴリされそうだが、独特のポップさもある。
じっくりやったら醸成されるのかは不明なのだが、
また面白そうなみれるだろうと予感させるものだった。
恵比寿のBATICAで、ベーシストで録音から映像までやるクリエイターの
田中啓介君のプロジェクトOLGAを見に行った。
けっこう編成を変えているようで、前見に行った時は一人でVJやってシーケンサーいじくって
ベースも弾くみたいな感じだったが、今回は「トリオでやりますよ」
とのことで見に行った。
とにかくこの人は見かけによらず、熱くてゴリッとロックなパッションでベースを弾く。
今、わたくしが体験すべきとここ最近一番に推薦する危険で素晴らしいバンドのJImanica Band Setでもベースを弾いているが、Jimanica氏の尖ったセンスを受け止めつつ増幅している。
さて、今回はギターにLAなんかで活躍していた田中拓さん。
彼にはなぜか昔、ギターを貸したことがある(笑)。
タイトなリズム感と確かなテクニック、エフェクティブなサウンドメイキングなどおもしろいプレイヤー。
ドラムは中村亮さん。初めてプレイを見ますが、以前はボストンでDavid Fiuczynskiのバンドでプレイしていた実力派。
このメンツで「ロックな感じでやろうかなーと思ってます」
とのこと。
全部オリジナルでリフをメインにした曲や途中でテンポが崩壊していくような曲、
鬼ユニゾン。鍵盤は弾くしベースとユニゾンで歌うなど。
8割ぐらいは直球を投げ込んでくるんだが急に変化球がギュンと飛んで来て目がはなせないような
スリリングさ。
エレクトロニカやドラムンベースにも触発されたようなリズムをメインにしていて
2010年代のジャズロックという感じ。
新しさもあり、とてもクリエイティブだった。
まあ変態的なところにカテゴリされそうだが、独特のポップさもある。
じっくりやったら醸成されるのかは不明なのだが、
また面白そうなみれるだろうと予感させるものだった。
Don Byronの新譜が出ていた件
勝手に注目し続けているドン・バイロン。
クラリネット奏者であり、コンセプトメイカーであり、コンポーザーでもあり、
独特のどこかとぼけた、でも急に切れる楽曲とクラリネットがなかなか面白いのです。
ビル・フリゼールやデジョネットを読んだブルーノートからのアルバムやら、
クラシックをアレンジしなおしたファインラインやら、クレツマーをやって、ユダヤ人に
なぜか「関係ないヤツがクレツマーやんなや!」とディスられて、
ドン自身「もうクレツマーなんかやんねえよ!」とふてくされた”ミッキー・カッツ”(名作です)やらと個性的な作品を出して来た彼。
最近はサックス吹いたりもしていたが、どちらかというととっちらかって
個人的には聴いてて散漫な印象をもっていたが。
全然、アナウンスがなくて、オーケストラの指導やらサントラをやってます、
というニュースしかなかった。
がなぜか急に新譜が今年に入って出ているのを知った。
Don Byron New Gospel Quintetという名義でsavoyから。
最近はそういえばフリゼールもサヴォイだなあ。
「Love,Peace and Soul」というタイトルだ。
Eddie HarrisとGeorge Russel、そしてDonの父と叔母に捧げられた作品である。
そしてなんといっても今回はゴスペルの祖とも言えるトーマス・ドーシーの作品を取り上げている。
Don的には前述のオーケストラ指導というかワークショップで生徒とやり取りする中で
アフリカン・アメリカン音楽の雑多なルーツを探る中で、題材としての面白さを
強く感じたようだ。他に彼のオリジナルが一曲。エディ・ハリスの曲が1曲、トラディショナルが
一曲。
メンバーはドンのクラリネットと双頭といえるのがDK Dysonのヴォーカル。
彼女がほぼ全曲で歌っている。
ベースはブラッド・ジョーンズ。幅広いプレイが出来るし、フリー系が多いが場合によってはファンキーだ。にせキューバ人でもやってたっけ。
ゲストにヴァーノン・リードが一曲、ブランドン・ロスが2曲、ギターを弾いている。
特にブランドンはエレクトリックでガンガン弾いていて、ここ最近の空間派路線ではなくて、
切れまくっていてかっこ良い。
全体通すと、なんかすっきりしない。
なんでかなと何度か聴いたら、あまりDK DYSONがハマってないんじゃないかと思えて来た。
押してばかりで引きが無い。ちょっとふらふらしているし。Dean Bowmanが一曲うたっているんだが、それがなかなか良いし、歌が無いところはなかなか押し引きがあっておもしろかったり、
ドンとピアノのXavierとでじっくりやってる後半の曲なんかはしみじみして良いので非常にもったいなかった。
アンサンブルというのはなかなか怖い。
ただ、ヴァーノンリードが相変わらずなギターだったり、ブラッド・ジョーンズのベースだったりはかっこよいのであった。
そしてドンは相変わらずとぼけた風情なのである。

Love Peace & Soul
クラリネット奏者であり、コンセプトメイカーであり、コンポーザーでもあり、
独特のどこかとぼけた、でも急に切れる楽曲とクラリネットがなかなか面白いのです。
ビル・フリゼールやデジョネットを読んだブルーノートからのアルバムやら、
クラシックをアレンジしなおしたファインラインやら、クレツマーをやって、ユダヤ人に
なぜか「関係ないヤツがクレツマーやんなや!」とディスられて、
ドン自身「もうクレツマーなんかやんねえよ!」とふてくされた”ミッキー・カッツ”(名作です)やらと個性的な作品を出して来た彼。
最近はサックス吹いたりもしていたが、どちらかというととっちらかって
個人的には聴いてて散漫な印象をもっていたが。
全然、アナウンスがなくて、オーケストラの指導やらサントラをやってます、
というニュースしかなかった。
がなぜか急に新譜が今年に入って出ているのを知った。
Don Byron New Gospel Quintetという名義でsavoyから。
最近はそういえばフリゼールもサヴォイだなあ。
「Love,Peace and Soul」というタイトルだ。
Eddie HarrisとGeorge Russel、そしてDonの父と叔母に捧げられた作品である。
そしてなんといっても今回はゴスペルの祖とも言えるトーマス・ドーシーの作品を取り上げている。
Don的には前述のオーケストラ指導というかワークショップで生徒とやり取りする中で
アフリカン・アメリカン音楽の雑多なルーツを探る中で、題材としての面白さを
強く感じたようだ。他に彼のオリジナルが一曲。エディ・ハリスの曲が1曲、トラディショナルが
一曲。
メンバーはドンのクラリネットと双頭といえるのがDK Dysonのヴォーカル。
彼女がほぼ全曲で歌っている。
ベースはブラッド・ジョーンズ。幅広いプレイが出来るし、フリー系が多いが場合によってはファンキーだ。にせキューバ人でもやってたっけ。
ゲストにヴァーノン・リードが一曲、ブランドン・ロスが2曲、ギターを弾いている。
特にブランドンはエレクトリックでガンガン弾いていて、ここ最近の空間派路線ではなくて、
切れまくっていてかっこ良い。
全体通すと、なんかすっきりしない。
なんでかなと何度か聴いたら、あまりDK DYSONがハマってないんじゃないかと思えて来た。
押してばかりで引きが無い。ちょっとふらふらしているし。Dean Bowmanが一曲うたっているんだが、それがなかなか良いし、歌が無いところはなかなか押し引きがあっておもしろかったり、
ドンとピアノのXavierとでじっくりやってる後半の曲なんかはしみじみして良いので非常にもったいなかった。
アンサンブルというのはなかなか怖い。
ただ、ヴァーノンリードが相変わらずなギターだったり、ブラッド・ジョーンズのベースだったりはかっこよいのであった。
そしてドンは相変わらずとぼけた風情なのである。

Gilad Hekselmanを見に行くつもりがAri Honigにやられる
もう3週間前だがAri HonigのカルテットにGilad Hekselmanが入っていて、
来日するというので見に行った。
先日、来日していた松浦君に「あいつがいまジャズギターでは一番うまいんじゃないかな」
とも言うし、じゃあそれは見に行っとこうかと。
彼は確か86年生まれとかなので、まだ20代か、と。
彼のリーダーアルバム聴いてもあまり印象がないというか、”ああ、カート・ローゼンウインケルの
フォロワーか。マイク・モレノとかそれに近い感じか”という判断だったのだが。
ちょうどEsperanza Spaldingのインタヴューをしたのだが、
彼女も「Giladはすごい! ユニバーサルは契約したほうが良い!」と、
スタッフの方に薦めていたぐらい。
ようはアダム・ロジャースみたいに、メチャクチャ上手いけどレコーディングは仕事な感じで
実態が見えないケースもあるので、やはり見に行くしかないわけである。
ユダヤ系のミュージシャンばかり揃えたメンバーだった。
Giladは確かに上手い!テーマをとってもソロをとってもバッキングにまわっても
ブレない。ラインもきれいだし、リズムも良いし。
おまけにタッピングでベースラインをフォローする得意技もあって、
なかなか面白い。まあ、実際、カートの影響は免れないけれど。
けっこうメトリックモジュレーションを多用するような曲が多いのだけれど
涼しい顔して弾いていて、何がなにやらよくわからなくなる。
もっと前に出る時にバーンと出てくればもっと面白かったのだが。
ちょっと遠慮があった気もする。
と思ったのはリーダーでありドラムのAriがパワーアップしすぎてやばかったから。
ニューヨークにいた時は幾度となく見たことがあったが、
ちょっと化け物レベルになっていた。
グルーブ感とかそういうレベルでドラムを叩いてない感じがするようなプレイというか。
能楽なんかの鼓を“ヨーッ!ポンッ!”とやるような感じでいきなりバシッときたり、
スティックをヘッドに立ててこすったり。音色を考えながら、音を細かい升目にぽんぽんと
配色しているような。抽象画のようなプレイなんだが。
友人にリズム感というよりリズム観だなというと妙に納得された。
分析すると音楽が見えなくなるのだが、それを越えて、とてつもなく音楽的で、
やはり楽器が突出しすぎないように楽曲をうまく構成しているのでモンクのピアノ、
もとい文句のつけようがなかった。
とても触発されるライブだった。
しかし、Conceptionが演奏されると拍手が自然と沸いたあたり、
見てる人は全体に意味が解らなかったのかもしれない。
来日するというので見に行った。
先日、来日していた松浦君に「あいつがいまジャズギターでは一番うまいんじゃないかな」
とも言うし、じゃあそれは見に行っとこうかと。
彼は確か86年生まれとかなので、まだ20代か、と。
彼のリーダーアルバム聴いてもあまり印象がないというか、”ああ、カート・ローゼンウインケルの
フォロワーか。マイク・モレノとかそれに近い感じか”という判断だったのだが。
ちょうどEsperanza Spaldingのインタヴューをしたのだが、
彼女も「Giladはすごい! ユニバーサルは契約したほうが良い!」と、
スタッフの方に薦めていたぐらい。
ようはアダム・ロジャースみたいに、メチャクチャ上手いけどレコーディングは仕事な感じで
実態が見えないケースもあるので、やはり見に行くしかないわけである。
ユダヤ系のミュージシャンばかり揃えたメンバーだった。
Giladは確かに上手い!テーマをとってもソロをとってもバッキングにまわっても
ブレない。ラインもきれいだし、リズムも良いし。
おまけにタッピングでベースラインをフォローする得意技もあって、
なかなか面白い。まあ、実際、カートの影響は免れないけれど。
けっこうメトリックモジュレーションを多用するような曲が多いのだけれど
涼しい顔して弾いていて、何がなにやらよくわからなくなる。
もっと前に出る時にバーンと出てくればもっと面白かったのだが。
ちょっと遠慮があった気もする。
と思ったのはリーダーでありドラムのAriがパワーアップしすぎてやばかったから。
ニューヨークにいた時は幾度となく見たことがあったが、
ちょっと化け物レベルになっていた。
グルーブ感とかそういうレベルでドラムを叩いてない感じがするようなプレイというか。
能楽なんかの鼓を“ヨーッ!ポンッ!”とやるような感じでいきなりバシッときたり、
スティックをヘッドに立ててこすったり。音色を考えながら、音を細かい升目にぽんぽんと
配色しているような。抽象画のようなプレイなんだが。
友人にリズム感というよりリズム観だなというと妙に納得された。
分析すると音楽が見えなくなるのだが、それを越えて、とてつもなく音楽的で、
やはり楽器が突出しすぎないように楽曲をうまく構成しているのでモンクのピアノ、
もとい文句のつけようがなかった。
とても触発されるライブだった。
しかし、Conceptionが演奏されると拍手が自然と沸いたあたり、
見てる人は全体に意味が解らなかったのかもしれない。
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